コルネリア・デ・ランゲ症候群とは
Dr.石井拓磨
  • CdLS Japan 医療アドバイザー
  • 千葉大学大学院医学研究院公衆衛生学
  • 同 医学部附属病院遺伝子診療部
  • 千葉県こども病院遺伝科(非常勤)

コルネリア・デ・ランゲ症候群について

CdLS(Cornelia de Lange Syndrome )は、1933年にオランダの小児科女医コルネリア・デ・ランゲによって、似たような症例の2人の子どもが発表されたことから、彼女の名前を取って病名が付きました。1916年には、すでにブラッハマン医師がこの症例を持つ子どもたちを発表していましたが、現在は「コルネリア・デ・ランゲ症候群」という名前の方が定着しています。

特徴的な顔貌を主徴とする先天異常症候群で、濃い眉毛、両側眉癒合、長くカールした睫毛、上向きの鼻孔、薄い上口唇、長い人中などに、短小な四肢や曲がった指および合指、小短頭症等があります。ときに大理石様皮膚、口周囲にチアノーゼが見られることもあります。3万人~5万人に1人と言われていますが正確には分かっていません。推定頻度から算出した推計罹患者は約 4,000人とされ、国の指定難病とされています。

低体重(常にではないが、2,500グラム以下)で出生することが多く、低く唸るような泣き声があります。出生時から認められる低身長など、発達の遅れ・骨成熟の遅れがあります。胃食道逆流現象、てんかん、心臓疾患、口蓋裂、内臓異常、摂食障害、軽度から重度の難聴、男子では停留睾丸を伴うこともあり以前は深刻な医療問題によって死亡することが多くありましたが、現在ではほとんどが成人出来ています。

長年の間、原因不明とされてきましたが、2004年5月に責任遺伝子が発見されました。この遺伝子は5番染色体の短腕の根元近く【くびれのすぐ上】に存在する。ただし責任遺伝子の「1つ」であり、別の遺伝子が関与している可能性も現在のところ否定できない。この遺伝子は極めて大きな遺伝子である(完全に構造が解明されている保証も現在のところ厳密にはない)。臨床的にきちんと診断された患者さんでも,この遺伝子の変異が認められる率は,1つの論文で20%,もう1つの論文で50%以下に過ぎない(その後の論文などを総合的に考えると最大でも2/3程度のようです)。この遺伝子の「種々の理由で検出できない変異」が存在する可能性や,別の遺伝子が関与している可能性などが考えられるが現在のところは分かっていません。

診断方法として、最近は「胎児超音波検査」により(日本国内の普及率は世界でも突出しております)妊娠中に「疑われる」ことが少なくありませんが確定診断は至難です。多くの場合コルネリア・デ・ランゲ症候群は出生後に診断されます。つまり、この病気の特徴のほとんどが生まれてから、もしくは生後しばらくしてから診断に結びつくからです。症状は軽度から重度まで多彩で、軽度の例では診断が難しいこともあります。